novel

小説投稿サイトに投稿してみた

 胸の奥がムカムカして気分が悪い。
 講義が終わって大学を出たものの、電車にもバスにも乗る気分ではなかったので歩くことにした。
 仕方なく、というよりはもう少し積極的な気持ちで駅を通り過ぎた。五時前の、昼間でもなければ夕方でもない空が明るい。
 地下鉄の駅二つ分と、JRに乗り換えて一駅。都心なのでそう距離がある訳ではない。二時間はかからないだろう。大通り沿いを歩けば迷わないはず。念のために、コンビニに入って飲み物を調達する。ジャスミン茶があったのでレジに持って行く。レジ袋は要りません。あ、小銭がない。交通系ICカードを見せる。ブブー。残高不足。普段は定期券しか使わないから気にしていなかった。スマホを弄って、他の決済アプリの残高を確認。後ろには行列。焦ってアプリが見つからない。嫌だけど、一万円札をレジに出す。
「ありがとうございました」
 ああ、やっぱり気分が悪い。

 大通りをダラダラ歩く。背中のリュックが重い。荷物なんて大して入っていないのに。信号待ちでジャスミン茶を一口飲む。冷たくておいしい。だけど、ペットボトルが汗をかいて不愉快だ。このままリュックに入れたら荷物が濡れてしまう。飲み口の下に指を引っかけて持ち歩くことにした。途中で夕方になった。夜はまだ来ない。
 
 ようやく家に着いた時には、体はくたくたになっていたけれど、気分は少しマシになっていた。シャワーを浴びて、買い置きの冷凍チャーハンで夕食を済ませた。ビール片手にリビングへ。
 パソコンを見て、レポートを書かなければいけないことを思い出した。資料はもうそろっているし、構成も決まっている。後は書くだけの状態。ワープロソフトを立ち上げる。ビールを一口。気分の悪さがぶり返してきた。胸も頭もぐるぐるする。こらえきれずパソコンに向かって吐き出す。プリンターが吐き出す、レポートとは関係ない文字列。用紙切れになるまで。吐くものがなくなるまで。
 それを小説と呼ぶつもりはなかったけれど、
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